鎌倉人清談-93
NO156 2012/2/10掲載
  鎌倉由比ガ浜商店街振興組合 理事長 合資会社帝国堂 社長 堀 淳一さん
商店街も時流に合わせて変化しないと生き残れません。
にぎわいのあるまちの復活のために、人づくり、仲間づくりが大切なんです。

堀 淳一さん

− 歩いて楽しい商店街をキャッチフレーズにまちかとフェア由比ガ浜文化祭は、すっかり定着してきましたね。
 堀  はい。商店街として、一過性のセールをやっても、年中セールをやっている大型店やショッピングモールの集客力にはかなわない。お客さんは2代、3代おつきあいという昔ながらの店が多かったのですが、現在では約半数が経営者の高齢化、後継者不足の理由で廃業か新しい形態の店に入れ替わっております。ですから、商店街も時流に合わせ変化し、活動していかないと生き残れない時代で、まちかどフェアもその1つの試みなんです。今回も2月25日、26日に開催します。

− 堀さんも帝国堂3代目ですね。
 堀   はい。帝国堂の本家は大日本帝国海軍の基地があった横須賀にあり、店名の由来も海軍の時計修埋の店だったからです。丁稚奉公で祖父が修行を積み、昭和2年、のれん分けでここ由比ガ浜に店を出したのが始まりです。当時鎌倉には海軍の軍人さんが多く住み、別荘などハイカラな人もいました。時計はその頃高級品で、その修埋を引き受けていたのです。
その後、万年筆のペン先(当時は18金でしたから)修理、宝飾、眼鏡など、時代に合わせて扱い商品も広がってきました。これも時代の変化に対応してのことでしてね。

− いま鎌倉由比ガ浜商店街振興組合加入の店はどのくらい。
 堀  約110店舗で構成されております。業種も違うし、新旧がある、世代も幅がありますから、一つになって活動するのは難しい。当組合では、春、秋と年2回のイベントを開催していますが、それ以外に、納涼大会、シャンソンライブ、ボーリング大会や新年会など組合員相互の交流の場を設け、仲間づくりを行っています。

−  コミュニケーションを深めていくということですね。
 堀  そのきっかけづくりが必要だと思います。それに、人づくりですね。そこで2月27日に「まちの駅」を会場に、東海大学工学部建築学科の杉本洋文教授を講師に勉強会も開催します。テーマは「当商店街の将来像と活性化についての考察」なんですよ。現在、鎌倉市モデル商店街整備事業の一環として、歩道拡張工事が進行しておりますが、その後どうしていくかなど課題はたくさんあります。そのためには組合員が共通認識を持たないといけない。ゆくゆくはビジネススクールのようなものになればいいと思っているんです。組合員各位が問題点、アイデアを出し、それに先生や学生などと共にケーススタディ的なディスカッションができればいいのですがね。

− ところで今回のまちかどフェアの特徴は。
 堀  4カ所の拠点を設け、さまざまなイベントやセールを行いますし、各商店も独自のセールを行います。商店街を回遊して楽しんでいただけたらと思っています。
それに、まちの駅・鎌倉では、25日に、鎌倉消防署による防災教室を開催し、消火実験や実習、講習などを行います。昨年9月のまちかどフェアを開催した時の写真展で関東大震災時の坂ノ下の写責と3月11日に津波で壊滅的被害を受けた宮城県石巻の写真を比べて見たら状況がが同じなので驚きました。支援とともにわれわれも防災に対してしっかり認識しておかないといけないと痛感しましたね。
この日は、被災地支援活動団体のパネルディスカッションを行いましたが、今度のフェアで同じ団体を集めこの間の状況を改めて報告してもらう予定です。

− 新デザインのフラッグも街路灯につけられるとか。
 堀  そうなんです。デザインは公募でまちづくり委員会で選考し理事会で決定しました。
この由比ガ浜は私が生まれ育った町。音は、由比ガ浜銀座通りと書かれたアーチもあり、お風呂屋さんや映画館もあり、夜も遅くまで人通りが多かった。そんなにぎわいを少しでも取り戻せたら嬉しいですね。

 
     
 
 
copyright (C) YUUGISHA. CO.,LTD All Rights Reserved
about us/自費出版