大町四つ角から名越四つ角の間にある祇園山の下に、時宗の別願寺という小さな寺があり、桜花到来をしたためた持氏公の書状が残されている。
桜花度々到来、悦入候。恐々謹言
持氏
三月四日
別願寺聖
室町時代の桜を扱った直筆の書状は他にない。
鎌倉公方四代持氏公(T398〜1439)に別願寺の住職がたびたび桜を届けた、その礼状である。
『吾妻鏡』には花見や桜の風景の描写は多くあり、また東国の文化の土産に桐ケ谷桜(材木座)を京都御所に届けた古事が伝えられている。
現在もささやかな境内には、春になると和やかな桜が往時のの名残のように咲く。(書状は鎌倉国宝館保管) |