Q 血液中にある糖分(ブドウ糖)は、多すぎても少なすぎてもいけないのですね。
A そうです。体はエネルギー源であるブドウ糖を有効に利用させるホルモン(インスリン)をすい臓のベータ(β)細胞から出して一定の範囲に保とうとします。
ブドウ糖が血液中で高いまま(高血糖)になっているのが糖尿病です。食べすぎや肥満で血糖が高いままでいると、糖毒性といってベータ細胞の働きがどんどん落ちたり、ベータ細胞が壊れたりして、ついにはインスリンが底をついてしまうようなことがあります。
日本人の糖尿病患者さんの約95%は、不規則な食事、食べすぎ、運動不足などが原因で起こるタイプで、これを2型糖尿病と呼び、2型糖尿病は年々増加しています。
しかも、糖尿病患者さんの約半分は治療してない状態なんです。食事や運動、薬などで血糖コントロールを良い状態に保っているのは3割にすぎず、あとはコントロール不良の状態が続きいろいろな合併症が起こるケースが多いのです。糖尿病患者さんの平均寿命は男性で10歳、女性で13歳短いといわれています。
Q 食物の好みや運動といった生活パターンの修正はシンドイことですが、今までの飲み薬と新薬の違いは。
A 従来の飲み薬のうち、インスリン分泌を促すタイプの薬は、すい臓を直接刺激してインスリンを出させるのですが、刺激しすぎて低血糖になったりする。そのため低血糖が不安になって敬遠する方も多いのです。
日本では2009年12月から一般的に使われるようになったのがインクレチン関連薬です。インクレチン関連薬には、飲み薬と注射するタイプとがあります。
インクレチンとは、食べ物が小腸を通過するときに腸管から分泌されるホルモンで、すい臓に作用してインスリン分泌を増やします。
従来のスルホニル尿素薬(SU剤)を代表とするすい臓を直接刺激する薬との大きな違いは、食物が入って血糖が上がらないと作用しないので、インクレチン関連薬単独で使う場合には、低血糖の危険性が殆どないということ。
また、血糖を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を抑えて血糖値を低くする作用もあります。
インクレチン関連薬のうち注射するタイプは、食欲をかなり落とすので、2〜3週間で体重が3〜5kgほど減ることもあり、肥満で血糖コントロールの悪い人には何より″と喜ばれています(笑)。テレビなどでインクレチン関連薬によって糖尿病が治る″と話題になったのは動物実験で、すい臓のインスリンを出すベータ細胞を壊れにくくする、あるいは増やすという結果が出たからです。
Q ヒトの糖尿病でも効果は期待できるのですか。
A 可能性はありますが、残念ながらまだわかりません。一般に使われ始めた当初、患者さんにも「テレビでみてすごく良い薬のようなのでその薬を処方して下さい」とよく言われました。また、インクレチン関連薬で注射するタイプは、1日1回の注射ですみ、時間帯は朝でも夜でもいいので融通がききます。
Q 食物の好みや運動といった生活パターンの修正はシンドイことですが、今までの飲み薬と新薬の違いは。
A 従来の飲み薬のうち、インスリン分泌を促すタイプの薬は、すい臓を直接刺激してインスリンを出させるのですが、刺激しすぎて低血糖になったりする。そのため低血糖が不安になって敬遠する方も多いのです。
日本では2009年12月から一般的に使われるようになったのがインクレチン関連薬です。インクレチン関連薬には、飲み薬と注射するタイプとがあります。
インクレチンとは、食べ物が小腸を通過するときに腸管から分泌されるホルモンで、すい臓に作用してインスリン分泌を増やします。
従来のスルホニル尿素薬(SU剤)を代表 とするすい臓を直接刺 激する薬との大きな違いは、食物が入って血糖が上がらないと作用しないので、インクレチン関連薬単独で使う場合には、低血糖の危険性が殆どないということ。
また、血糖を上げるホルモン(グルカゴン)の分泌を抑えて血糖値を低くする作用もあります。
インクレチン関連薬のうち注射するタイプは、食欲をかなり落とすので、2〜3週間で体重が3〜5kgほど減ることもあり、肥満で血糖コントロールの悪い人には何より″と喜ばれています(笑)。テレビなどでインクレチン関連薬によって糖尿病が治る″と話題になったのは動物実験で、すい臓のインスリンを出すベータ細胞を壊れにくくする、あるいは増やすという結果が出たからです。
Q 副作用は。
A 胃腸障害を起こすこと。下痢、便秘、吐き気などです。そのため、注射するタイプは少ない量から使い始めて、注射する量を少しずつ鰭やすようにします。
ただ、使用し始めてから歴史も浅いので、インクレチン関連薬を長期間使った場合にどういう副作用が出るかについてはまだ十分に解明されていません。
それと、インスリンの注射を行っている糖尿病患者さんには、今のところこの薬は使えません。飲み薬タイプのインクレチン関連薬は、従来から糖尿治療に用いられるほとんどの飲み薬と一緒に使えるようになりました。
Q 日本人は欧米人に比べて糖尿病になりやすいと言われますが。
A 民族的な違いなのでしょうね。どちらかというと欧米人は、インスリンがたくさん出て肥満の程度が強くても血糖を下げることができます。日本人は欧米人に比べインスリンの出が悪いのです。だから食べすぎたり、少し太りすぎると、インスリンが不足しやすくなり、血糖値が上がりやすいため、欧米人に比べればそんなに太っていないのに2型糖尿病になりやすいのです。
新薬が登場しても、食事療法、運動療法が大事なことは変わりありません。
不規則な食事や食べすぎを攻を定期的な運動を始めただけで、血糖コントロールがずっと良くなり、患者さんご自身が驚くことがあります。
今日お話しした新薬による治療以上の効果が現れることもありますね。
何よりもきちんと通院し、きちんと検査を受け、生活習慣を見直すことを忘れないようにしていただきたいと思います。 |