最新鋭の内視鏡登場!
吉田 光学診療部に最先端の内視鏡が導入されましたが、従来の内視鏡と比較しその特長は?
遠藤 まず、解像度が非常に良く、ハッキリ見えます。さらに80倍まで拡大できるので、粘膜表面の構造や毛細血管の異常を見ることができ腫瘍の診断に力を発揮します。
その他に患者さんにカプセルを飲んでもらい診断する機器や、バルーンがついた小腸用の内視鏡があり多くの小腸検査をしています。
吉田
カプセル内視鏡や6〜7mもある小腸の全部を見ることができる小腸バルーン内視鏡を行っている病院は全国でも珍しいですね。
小腸の病気、クローン病に威力発揮
遠藤 今、どんどん増えている潰瘍性大腸炎やクローン病は腸に炎症が起こる病気です。
大腸だけに起こるのが潰瘍性大腸炎で、クローン病はすべての消化管に潰瘍をつくりえます。
小腸を直接見たり、内視鏡下で拡張する小腸バルーン拡張術など小腸内視鏡を使った診断・治療はクローン病の先端医療です。
吉田 従来は、小腸狭窄がひどくなると腸閉塞を起こして物が食べられなくなるので、手術するしかなかったが、バルーン拡張術によってそれが回避できるのですね。
遠藤 流動食しか食べられなかった患者さんが普通に食べられ、仕事ができると喜ばれる姿を見ると医者冥利につきます。
炎症を起こした大腸を切ってしまえば治る潰瘍性大腸炎と違って、クローン病は手術で治る病気ではありません。
狭窄部分を手術しても、その後再び潰瘍や狭窄が出来て、何度も手術しなければならない病気です。ですから内視鏡を使って腸を切ることはできるだけ避けたいのです。
良くなったり、悪くなったり、経過は長い
吉田 そのような検査を受ける場合の症状は?
遠藤 便秘、下腹部痛、体重が減る、血便、貧血、そして思春期から20代の若い人に多く見られます。
内視鏡、血液・組織検査結果などから総合的に診断します。
良くなったり、悪くなったりを繰返す経過の長い病気で、長期の治療が必要になります。
吉田 超過が長いということは、治療を続けないといけないですね。再発の予防は?
遠藤 症状が良くなっていると思っても腸の潰瘍が悪化して狭窄が進行することはよく経験します。
内視鏡やMRIの検査で治療が適切か否かをモニタリングしながらしっかり潰瘍を治すことが重要です。
専門医の治療なら1〜2ケ月で退院し、支障なく社会生活も送ることができます。 |