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未曾有の被害をもたらした東日本大震災は、震源から遠くはなれたここ鎌倉でも立っていられないほど大地が揺れた。日本の約半分の地面を大揺れにゆらすエネルギー放出は、地球のいとなみからすればちょっとの身震いにもならないものであろう。今回の震災で人間の非力さを思い知らされた。
原発の状況は人間自らが作りだしたものでさえも自らでコントロールできない。原発でさらにいただけないのが日本の官僚体質が人災として重くのしかかっていることである。官僚たちは自分達が作った考えやストーリーが正しく唯一無二のものであって、他を決して受け入れない。今回のような想定外の事象に対して現場が危機感をもって持ち上げるいろいろな対策は、彼らの意向にそっているはずがなく受け入れ難いのである。
壊滅的打撃の中から懸命に着実に回復しつつある民間に比べて、原発事故は世界中に多大の影響を及ぼしかねないほど重大な事案なのに現状の対応にはうんざりである。お役人気質が延々とつづいている東電と官僚(原子力保安院)指導の回復には限界がありそうである。
自分達が出した回答以外は間違いで決して受け入れないという謙虚さに欠けた官僚の伝統は、原発が危機的状態にあるにかかわらず「放射能の漏洩は直ちに健康に影響を与えない」とくりかえす発表、建屋が水素爆発で原形をとどめないほど吹き飛んでいるにかかわらず大事に至ることはないという論調と、太平洋戦争にあって日本は決して負けてはいないという大本営の論調とつながっているように思う。
震災後も混迷がつづく日本の政治いったいどこにいくのやら、原発の事故の収束は一体どうなるのやら、それでもなんとかまわっている日本社会、他国ではありえへん。
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