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鎌倉生活最新号
バックナンバー
NO125
2008/12/10掲載
冬に多いかゆみの原因は
皮脂欠乏症
▼肌を清潔にし、保湿によるケアを
長期に改善しない場合は、内臓の病気も
相楽 玲先生
大船中央病院
皮膚科医師
鎌倉市大船6−2−24
TEL0467−45−2111
Q
寒くなってお肌がカサついてくると、風呂あがりや寝付く前にかゆくなります。特に背中や腰、すねなどがひどい。
見た目は赤くなったり、腫れたりしていないのですが。
A
かゆみというのは、血行が良くなると出てくるので、入浴後、食後、飲酒後などは出やすいですね。また、体がリラックスしている寝る前から夜間も訴えとしては多いです。
こうした見た目には明らかな皮膚症状がないのにかゆみが強いといったことで、これからの時期に多いのは皮脂欠乏症(乾皮症)です。
皮脂欠乏症は皮膚の脂が減ることによって皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう病気です。
一般に、皮膚のうるおい(水分量)は皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質という3つの物質によって一定に保たれています。
ところが、加齢や、空気の乾燥などの環境、頻回の入浴などによってこれらの物質が減ってしまうと皮膚がひどく乾燥し、皮脂欠乏症になってしまうのです。 また、かゆみを伴うため掻くと悪化して湿疹になったりします。そのために、早めに適切なケアが必要ですね。
Q
皮膚のケアにはどのような方法がありますか?
A
皮膚欠乏症のスキンケア は、まずは皮膚を清潔にして保湿をすることです。
保湿剤は皮膚の水分が逃げないようにふたをしたり、皮膚に水分を与えたりする役割を持っています。保湿剤には様々な種類があります。化粧水タイプ、ローション、乳液タイプ、クリームタイプ、軟こうタイプなどです。
夏はさっぱりした使用感のよいもの、冬はしっとりした皮膚を覆う効果の高いものが良いですね。季節で使い分けて行くとより良い保湿ができるでしょう。
入浴後5分以内に外用するのが効果的です。
ただし、傷口やニキビなどには塗らないようにしてください。
あとはなるべく摩擦を避けるのが良いですね。肌着などは木綿のものがよいですし、入浴時にナイロンタオルなどでゴシゴシ擦るのは避けた方がよいでしょう。
加湿器などを利用してお部屋の湿度を保つことも効果がありますよ。
Q
それでもとまらないかゆみがあった場合はどうしたらよいでしょう。
A
そんなときは皮膚科を受診してみて下さい。ドライスキンの状態であれば保湿することで症状は改善してきますが、乾燥が悪化して湿疹の状態になってしまっている場合は、保湿だけでは改善しないことが多いです。そのような時はステロイド系の軟こうと保湿剤を組み合わせたり、また、自分で掻破して悪化させてしまっている場合などは、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服が必要になる場合もあります。
症状に合わせた治療をすることが大切です。
ステロイド軟こうの外用などは即効性が高いのでどうしても頼りがちになってしまいますが、長期外用を継続すると色素沈着、皮膚が薄くなる、局所免疫の低下など悪循環に陥る可能性があります。症状に合わせたランクでの適切な治療を行うことで、そのような副作用を最小限にしていくことが大切だと考えます。
また、皮膚掻痺症はドライスキンのみではありません。長期に改善しない皮膚症状には内臓の病気(肝臓、糖尿病、人工透析、悪性腫瘍などさまざま)が絡んでいる場合もあります。そのようなことも含めて考え、一度皮膚科を受診してみてはいかがでしょうか。
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