掲載NAVI

NO124
2008/11/10掲載

 鎌倉初、回復期リハビリ病棟を開設 
▼早期からの集中的な機能訓練で
体の不自由を克服し社会復帰を
 
高橋洋一先生 

聖テレジア病院 院長
鎌倉市腰越1−2−1
TEL0467・32・4125
   

 
   介護が必要になる大きな原因として脳卒中、認知症、安静や不活発な生活による機能低下での廃用症候群の3つが主にあげられるそうですが、聖テレジア病院では脳卒中や骨折の後遺障害に対するリハビリテーションに特化した病棟を開設されましたね。
A  はい。回復期リハビリテーション病棟です。今は、一つの病院で急性期から慢性期、長期療養まで行うのは莫大な人的・経済的資源がかかります。国の医療方針もこうした病院完結型医療ではなく、お互いの専門性を生かして役割分担する地域完結型医療を推奨しています。野球では先発、中継ぎ、クローザーと使い分けますが、医療機関もその役割を、先発型は24時間体制で急性期を行う病院や大学病院が担い、当院は中継ぎ、クローザーの使命をもった病院として位置づけました。
  急性期治療が終わった患者さんに対して後を引き継ぐのですから、診療レベルを向上させ先発陣から信頼される病院にならなければなりません。
 
 従来のリハビリとの違いは。
A 回復期リハには、骨折後のリハと脳卒中後のリハがありますが、脳卒中を例にあげると、従来よりも早期からリハビリを開始することですね。そして急性期病院から継ぎ目なく回復期リハ病院に引き継がれてリハに専念するというシステムです。
  これまで脳卒中発症後2〜3週間は急性期で病態が不安定と考えられ、この間は安静に、という考え方が強かったようですが、早期リハ、回復期リハが重要である事が認識されてきました。
  近年の医療の進歩に伴い、急性期治療により救命でき、後遺障害をもった方をさらにいかにして在宅復帰・社会復帰の状況にまで戻すかが重要な課題となり、急性期・回復期リハが注目されるようになりました。
  当院も回復期リハ病棟を立ち上げるに当たって、より高度な回復期リハを目指してリハ医学の先駆者である佐藤育徳医師の指導で基礎的なところから施設の整備や再教育などの立て直しを行い、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のリハスタッフを増員し、リハ専門医の着任も決定しています。
  機能回復訓練により、退院後すぐ社会生活に戻れる事を目指します。

 脳卒中の患者さんは、また何か起こるといけないからと部屋を真っ暗にして寝かせておくなどと聞いたことがありますが、そんな早い時期にリハビリを始める理由は?
A 脳梗塞の治療はまさに時間との闘いで、今話題の血栓を溶かす薬(t−PA)などの許容時間は3時間ですからね。命の危険はもちろんですが、マヒも固定してしまいますからモタモタしていられないのです。
  ですから、急性期病院から間断なくスムースに慢性期病院へ移るという密接な地域連携クリティカルパスが非常に大事なのです。
  また、院内でも安定期に入った患者さんに異常が起こった場合、リハスタッフがそのような変化を見落とさないためにも神経内科医を常駐させて、神経所見の評価や、必要な場合はCTやMRI、脳波などの検査を行って細かく対応していくことが必要です。

 そのような万全な体制があると患者さん、家族も安心ですね。
A バックにそのような専門医がいないと、安心してリハに集中できませんからね。ですが当院は一般の内科、循環器、消化器、神経内科、整形外科医がいますから肺炎などの合併症には対応できるのですが、眼科、耳鼻科、歯科、訪問診療の領域に関しては、週に1回、来院し診療していただく登録医制度で対応しています。
 
     
  こんな症状どうすれば  
 
  検診で内痔核があるといわれましたが…

 大腸内視鏡検査で内痔核があるといわれびっくりしました。ふだんの生活では何の自覚症状もありません。勤めていた頃は便秘症でセンナなどの下剤を常用し、便秘と下痢を繰り返していたためでしょうか。今はマグラックスを就寝前に飲んでおり便秘はありません。治療の必要はあるのでしょうか。(A・Sさん 65歳)

内痔核の2大症状は肛門出血とお通じの時痔が飛び出てくることで、そのような症状がなければとくに治療は必要ありません。
  内視鏡で診ると内痔核が見えたのでしょう。便秘になると腹圧がかかり、痔が大きくなったり、粘膜が切れて出血する可能性がありますがマグラックス(緩下剤)でコントロールしているとのことですから心配ありません。
  痔の予防法としては、排便はできれば3分以内に。便が出て1分後に次の鳴動が来て残りがちょっと出れば殆ど出てしまいます。で、また便意を感じたらトイレに行くようにし、1度で済まそうと考えないことです。

 
 

鎌倉ヒロ病院 肛門科 佐藤博文先生
鎌倉市材木座1−7−22
TEL0467−24−7171


 
 
    上の文字部分をクリックしますと掲載リストの小窓が出てきます!
 
 
 
 
copyright (C) YUUGISHA. CO.,LTD All Rights Reserved
about us/自費出版