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NO121
2008/7/10掲載

 免疫の異常で起こる関節リウマチ 
 早く見つける衰滅療法を誤らないこと 

 
 
妻 鍾泰
(カン チョン テ)
 先生

清川病院
整形外科医師鎌倉市
小町2・13・7
0467−24−1200
▼半年から3年以内は治療の窓″が開いているが…
▼治療により抵抗力が弱くなることもあるので、
  カゼや肺炎など感染症にも注意
 

 
   6月は関節リウマチ月間です。以前、関節リウマチは治らない″といわれていたのですか。
A  リウマチは自己免疫疾患です。免疫とは、体に入ってきた異物を抗体をつくり無害化して身を守る働きをしますが、その免疫が過剰に反応して自分の体を自分で攻撃してしまうのです。免疫反応の異常を治すというのは難しいのです。
  でも、2000年に入ってからは劇的に効く薬が開発されて治療法も変わり、早期関節リウマチは治るか、もしくは治った状態に近いところまで治療でせるようになりました。
  やはり、一番大事なことは、初期治療です。最近、治療の窓″という概念が出てきて、初めの半年から3年くらいまでは、窓が開いているから適切なリウマチの薬を飲めば治る可能性が出てきています。
  しかし、その期間を過ぎてしまうと、窓が閉じてしまい、いわゆる痛み止め的に効いても根本的に治すことが難しくなります。
 
 粥状硬化を進行させる危険因子は何ですか。
A 基本的な危険因子としては、最近クローズアップされていたメタポリックシンドローム(内臓脂肪型肥満症候群)、生活習慣病(高血圧、脂質代謝異常症、糖尿病)、それに喫煙ですね。これらの危険因子が1つあれば無い人の5倍、2つあれば10倍、3〜4つ併せ持つ人では31倍に心臓病の発症リスクが増えることが研究の結果わかっています。「人は血管と共に老いる」と言われます。動脈硬化は血管の壁の老化現象なのでどんな人でも止めることは出来ませんが、老化のスピードを遅くすることはできます。顔でも実年齢より老けて見える人もいれば、若く見える人もいるように、血管の壁にも同じことが言えるのです。血管を若々しく保つには、先ほどあげた危険因子を減らしたり、コントロールしてゆくことが大事です

 どのような症状が出てきたら受診すべきですか。
A 関節リウマチは全身の関節が徐々に破壊されることが多く見られます。とくに左右対称性の関節の腫れや、15分以上続く朝のこわばり感があれば、まずはかかりつけのお医者さんに受診し、専門医を紹介してもらいます。
  あるいはインターネットで日本リウマチ財団登録医や日本リウマチ学会専門医を検索し受診する方法もあります。

 血液検査やレントゲンでは見つからないのでしょうか。
A 関節リウマチの初期は、リウマチ因子がマイナスと出たりして診断が難しいのです。
  レントゲン検査でも発症から1年以内のものは、異常を示さないものもあります。
  しかし、専門医やリウマチに詳しい先生は、精度の高い血液検査やMRIを併用するなど早期発見できるようになってきました。

 よく効く薬の副作用の心配は。
A 免疫抑制剤なので抗体が抑えられますから、症状は改善されます。今まで手すりがなければ階段を上れなかった人も上れるようになった方もいます。
  ところが、カゼや肺炎などの感染症やばい菌に対して、免疫システムがよく働かないので抵抗力が弱まってしまうことがあります。使い方が難しいのですよ。
  関節リウマチは関節の炎症ですから、ジッと動かなければ痛くない場合が多いのですが、動かさなければ関節は固まってしまい、変形も進みます。そこで、薬物療法で痛みをやわらげ、あとはリハビリをするということですね。
  また、関節リウマチは骨を脆くしますので、骨粗しょう症の予防や、転倒などで骨折しないようにすることも大切です。
  関節が壊れてしまった方のヒザや股関節は人工関節に置き換える手術を行い歩けるようにします。


 血液検査やレントゲンでは見つからないのでしょうか。
A 関節リウマチの初期は、リウマチ因子がマイナスと出たりして診断が難しいのです。
  レントゲン検査でも発症から1年以内のものは、異常を示さないものもあります。
  しかし、専門医やリウマチに詳しい先生は、精度の高い血液検査やMRIを併用するなど早期発見できるようになってきました。

 リウマチが進行するとどうなりますか。
A 重度の関節リウマチの方は、全身にわたり関節が破壊されるので自由に動けなくなることもあります。
  近年、治療の進歩にともない寝たきりになることは少なくなりましたが、頸椎の重度の変形や、動けなくなることによって寿命が短くなるケースも多いのです。

 
     
 
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