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   NO116 2008/2/10掲載 |
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| Ｑ ひざが痛くて歩くのが困難、正座など足の曲げ伸ばしも不都合など、日常生活に支障がある人は手術をした方が良いのでしょうか Ａ 中高年でひざが痛い、階段を下りる時に痛む、正座もできないといった状態は、変形性膝関節症であることが圧倒的に多いようです。 実は軟骨が完璧に元気でいられるのは、40歳頃までといわれています。、年齢とともに特に負担のかかる部分の軟骨はすり減り、骨が変形してしまうのです。治療は保存療法と人工関節を埋め込む手術があります。保存的な治療法は、やせる、薬、杖、リハビリなどで、薬に関しては、賞状を緩和するものはあっても、病気の進行を抑えるものはないのが現状です。７年前に、サプリメントとして販売されているグルコサミンが進行を抑えるるのではというデータが発表されています。ですが、軟骨を再生する力はなく保健適応はありません。 関節液成分のヒアルロン酸は炎症を抑え、関節の動きをなめらかにしますが、注射でないと軟骨まで届きません。従来、痛みや炎症をとるためにステロイドが多用されてきましたが、痛みを麻痺させるためかえって変形や摩耗を助長するとして今は補助的に使われる程度です。 保存療法では症状が回復せずに、X線など画像診断でも骨の変形が進行している場合は手術が適当です。しかし、画像上や見た目で末期症状と判断できても、ご本人の希望がなければ手術は行いません。というのも、寝たきりや死に至る病ではないからなんです。 痛みを我慢しないでその苦痛を取り除き、元気な足で前向きに生活を楽しんでもらいたい。私どもはそのお手伝いをするということで すね。 Ｑ どんな手術をするのですか。 Ａ 金属とプラスチックで構成される人工関節を、上部は大腿骨（太もも）に、下部は脛骨（すね）にはめるものです。 この手術で痛みがとれ、O脚も改善し、痛みで歩けなかった人が歩けるようになる。通常の活動、例えばショッピングや軽い運動も できるなど即効性があります。 軟骨の摩耗がひざ全体まで進んだ場合に適応されるものは全置換型ですが、ひざ関節の内側か、外側だけが壊れている場合は部分置換術を行います。 部分置換術は、３年くらい前から行われています。傷口も５～６㎝で輸血の必要もないし、手術にかかる時間は全置換型（１時間半位）と比べてあまり変わらないのですが、健康な組織が残っているので違和感がそれほどなく、回復も早くて具合がいいんです Ｑ となると、あまり進行せず、体力も落ちていない時期に手術した方がいいのですか。 Ａ いや、機器の寿命を考慮しないといけません。部分置換型で、10年以上経ても97％の人工関節がよく機能していたというデータはありますが、機器がすり減ったり、ゆるんだりするので、寿命を15年位としても、手術対象は60歳以上の方になります。 Ｑ 手術に伴う合併症は？ Ａ 感染症ですね。もともと骨の中の血液の流れはゆるやかなのです。そこに異物があって、バイ菌などが入ってくると、抗生物質を投与してもなかなか行き渡らないため管理しにくいのです。当院は無菌室で手術するので安心なのですが、術後の風邪や膀胱炎などは抗生物質でしっかりたたいておく。糖尿病やリウマチ、水虫などは要注意ですね Ｑ 大船中央病院は、早期回復のために手術前からリハビリを行うそうですね。 Ａ 手術を希望する患者さんが非常に増えてきたため、手術前から整形外科、リハビリ科、看護師がチームとなって早期回復を目的としたトータルケアプログラム（ラピッドリカバリープログラム）を昨年から導入しています。手術も含めて10日間と20日間のコースを設定しています。不安いっぱいの患者さんが、2ヶ月に１度の関節教室から充分な情報を与えられ術後２日でも歩けるということがわかってくると、モチベーションも高まっていくようです。 |
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