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鎌倉生活最新号
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NO115
2007/12/10掲載
急増している
燕下障害ってなに?
むせる、飲みにくい、食べるのが困難
塩原紀久子
先生
聖テレジア病院内科医師
鎌倉市腰越1-2-1
TEL:0467-32-4125
食べ物や唾液が気管や肺に入ると肺炎や窒息に
Q
嚥下とはなんですか?
A
簡単に言うと、食べたり飲んだりすることです。嚥下障害とはその行程のどこかに障害を持つことです。
Q
嚥下障害で一番問題になることは。
A
食べ物や唾液が空気の通り道である気管に誤って入ってしまうことを誤嚥(ゴエン)といいます。誤嚥は肺炎や窒息の原因になってしまいます。気管と食道はとても近い所にあります。健康なときには無意識にその二つを振り分けていますが、嚥下障害の方はその振り分けが鈍くなって誤嚥の原因になってしまいます。
Q
誤嚥を予防するための食事の注意点は。
A
口の中でばらけずにまとまりやすく、スムーズにのどを通る工夫をして調理することが重要です。ぱさぱさしないこと、べたべたし過ぎないことも大切です。そのためには、ゼリー状のものやムース状のもの、家族と同じ献立でも煮込んだり、蒸かしたりしてやわらかくしたり、ミキサーをかけたりします。水分でむせてしまうときにはトロミをつけて下さい。
Q
食事介助するときの注意点は。
A
患者さんそれぞれによって異なりますが、一般的にはあごを少し引いた状態で食べることを意識して下さい。あごが上がっていると誤嚥しやすくなります。必要に応じてタオルや枕を利用して調節して下さい。それから、一口量が多くなりすぎないことも大切です。ご自分で食べている方でも、小さめのスプーンを使用して口に溜め込まないように気をつけて下さい。食べるスピードも速くならないように、気をつけましょう。食べている途中でのど元がゴロゴロするようであれば、咳をしてたまったものを出して下さい。
Q
食べる力を高めるためのリハビリはありますか?
A
専門的には言語聴覚士がリハビリを行いますが、家庭でできるものとしては首や体が硬くならないように肩の上げ下げや、首を左右にゆっくり回すなどのストレッチです。また、口の周りの筋肉や舌の運動のためにおしゃべりや、舌を左右に動かしたりして下さい。誤嚥した場合は、咳をして物を出す力が必要になりますので、枕をかかえて咳をするときに枕を抱きしめるような強い咳をする練習が推奨されています。深い呼吸をすることも重要ですので、おなかに意識をした腹式呼吸や、大きく息を吸って「あー」や「えー」などの声を長く出す練習も効果的です。
Q
口の中の環境は影響しますか。
A
口
の中には当然菌が存在しますし、就寝中に唾液を誤嚥してしまう人もいます。歯磨き、うがい、舌の掃除などをして口の中を清潔に保ちましょう。特に麻痺のある方では麻痺側の歯とほほの間に食物残渣があることがあります。自分で上手に出来ないときは、ご家族の方のお手伝いや歯科医・歯科衛生士の方のアドバイスが必要になります。
Q
嚥下障害には多職種の方の協力が必要ですね。
A
そのとおりです。医療の介入としては、嚥下を評価するための検査も導入され始めています。レントゲンの機械を使って嚥下の状態を評価する嚥下造影検査や、細いカメラで鼻の中からのどの状態を見て食事をしてもらうビデオ内視鏡検査などがそれにあたります。もちろん、ご家族の方の判断では不安なことも多いと思いますので、かかりつけの先生や訪問看護などに相談しながら患者さんにあった方法を選択して下さい。また、食事は毎日のことですから介護者の負担を軽減するために、嚥下障害用の介護食品やトロミ調整剤などを上手に利用して、安全に楽しく食事する状態を維持できるといいですね。ただし、もし、安全な経口摂取ですべての栄養摂取・水分摂取が困難である場合は、胃ろうなどの経管栄養との併用なども考慮していくことも大切です。
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