NO112
2007/9/10掲載
 地域に密着した
 “かかりつけ医”としての医療を 

  本来もっている治癒力・免疫力を高める医療に
  Dr.yositomi 吉富 敦子 先生

大船病院
理事長・医師
鎌倉市大船6−2−24
0467−45−2111
今こそ見直したい“昔のお医者さん”
 

 
 

 鎌倉市は4人に1人が65歳以上と高齢化が進んでいます。高齢者の不安の第一が病気になることなんですね。
 人の体というものは、気力と体力の2つの力が相互に作用し合って維持されています。病気になるというのは、それぞれの力が弱まったり、バランスが崩れることによって起きる体の異常をいいます。
  でも病気になると体は、自らの力で元の状態に戻ろうと抵抗するんですね。その働きが皆さんもご存知の免疫力・治癒力なんですよ。

 そうしますと、お医者さんを頼る前に、まず病気に負けない抵抗力をつけることが大事になる・・・。
 そうです。医療というのは、本来、免疫力・治癒力を高める手助けをすることが主で、病気になりにくい体や生活法を“手当て”することです。結果的にその人の持つ本来の治癒力を引き出し、抵抗力を強めて問題を早く解決するようにすることなんです。

 近年、東洋医学が注目されてきたのも、自らの力を引き出して病気を防ごうという考えが理解されるようになってきたということですか。
 というより、西洋医学ももともとは患者さんの体格・肌質・顔貌などを診て、その症状から何が不足か、あるいは過剰なのかを判断してきたのです。
  しかし、科学技術の進歩で、ハーブなどの生薬から合成薬が大量に生産・流通するようになって、医学は大いに進歩してきたわけです。その一方で、医学教育から栄養学や鍼(はり)治療や温泉療法などの物理療法学が消し去られてしまったのです。

 今は、お医者さんが患者さんの顔を見ないで診察することが問題になっています。(笑)
 パソコンのモニターに向き合って診察するという、極端なケースも取り沙汰されるほどで、症状や検査データにより処方する本人不在の治療が目立ってきたのは事実ですね。
  それに、現代社会は多種多様なストレスが体に大きな影響を与える時代で、患者さんとのコミュニケーションがこれまで以上に重要になっているんです。ストレスは検査では異常がはっきり把握されませんし、治療のために使用した薬剤が副作用という形で体にマイナス効果をもたらしたりしますし、思うように治療効果が上がらないケースもあります。
  “病気を診ずして病人を診よ”とよく言われますが、私ども医者は、まず問診という形で患者さんの今の体の調子、変調が起こったのはいつからかなどを具体的にうかがって、患者さんの体質・性格を常に考えながら診察し、治療方針を
立ててまいります。

 病気の説明が丁寧で、患者の話もよく聞いてもらえる先生ですと、心配も減って何か元気も出てきますね。
 病気というように、病だけでなく心も癒す“かかりつけ医”が身近にいると安心ですよね。自分の体や健康についての基本的な知識を持っていないと、医者から説明を受けても理解出来ません。“かかりつけ医”がいれば、そのような医学知識も日常の会話から得ることができますから。
  医者と患者さんが信頼関係のもとに話し合い、前回よりも今回、そして次回へ、少しでも良い方向に導くことによって、患者さん本来の治癒力を引き出し、強めていけば、治療も手遅れにならずにすみます。

 健康食品やサプリメントの利用も“かかりつけ医”がいれば、その人の検査データや生活習慣を知っているので、的確なアドバイスも得られますね。
 そうなんです。東洋医学には「証」という言葉で表現される、その人の体力・気力を総合的にみて、現在の状態を診断し、本来のバランスがとれた状態に導くように薬を含めた食の指導中心の治療もあります。
  サプリメントで注意したいのは、副作用の報告例がまったくないことなんです。飲み過ぎて体調が悪くなっているケースもありますしね。また、常用する場合は、治療のために飲んでいる薬との相性が重要です。
  私どもは、健康相談や訪問診療なども充実させて、皆さんのニーズにきめ細やかに対応出来る「地域のかかりつけ医」を目指しております。お気軽にご相談いただければと思います。

 
     
 
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