年輪重ねた傑作がズラリ並ぶ
鎌倉市教養センターサークル作品展開催
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長谷川信雄さん |
高齢者の学びと交流の場として鎌倉山の一画にある教養センターは、まさに60歳以上の鎌倉市民にとってはオアシス。ここには100のサークルがあり、和気あいあい、さまざまな活動が行われている。
日頃の成果を見てもらおうという発表会が12月に開催。作品展が12月2日〜8日まで、鎌倉生漣学習センター地下ギャラリーで、またカラオケ、コーラス、フラダンス、オカリナの舞台発表会が8日、ホールで開催された。そこで、作品展をのぞいてみた。
会場には、鎌倉彫、日本画、水彩画、油絵、スケッチ、パステル画などの絵画、木版画、写真、陶芸、バードカービング、書道、俳句など、多彩な作品がズラリと並ぶ。
「日頃研鑽の成果発表の場384の作品が展示されています」と教養センター利用者協議会会長で自らも鎌倉彫の長方盆を出展した長谷川信雄さん。
さすがキャリアの作品も
出品作品をカメラに収める人、サークル仲間同士がそれぞれの作品を批評し合ったり、母の油絵を見に来ましたという若い家族と、高齢者の作品展ならではの光景が。
どの作品も「さすがキャリアがちがう」と思わせる傑作ぞろい。「皆さんこの作品展をめざして日々作品作りに取り組んでいますから」と長谷川さん。
高齢者サークルということで、入会資格は60歳から。中には90歳を超えて楽しんでいる人もいるそうで、60代などは、「まだまだ若い」とか。高齢化社会、とくに鎌倉は県内第3の高齢都市、サークル会員は増える一方と思ったら、参加者が頭打ち。60代の若手”会員は大歓迎だそうだ。
「このような作品展がきっかけとなってくれればうれしいですね」。
老後の人生を楽しむために、趣味を通じての仲間づくりもいいのでは。
たくさんの作品に包まれ親も子も笑顔
鎌倉市児童作品展開催
おとぎの世界みたい
12月5日〜8日まで開催された鎌倉芸術館ギャラリーの鎌倉市児童作品展、会場に一歩足を踏み入れると、子どもたちの作品がテーブルから壁一面に至るまでところ狭しと展示され、圧倒される。それが1から2・3ギャラリーへと続くのだ。
「わー、おとぎの世界みたいね」と、歓声をあげるのは小学生と幼児を連れたおかあさん。16の鎌倉市立小学校と横浜国大付属小学校の1〜6年生の作品が一堂に会した図工・書写の作品展。児童数だけでも8707人(2014年度)、この子どもたちが想像の世界を飛び回って、創り上げた作品に感動するのはおとなたちなのかもしれない。
工夫を凝らした作品も
絵画、習字、工作、など表現豊かな作品ともに、日本画の模写絵と詩による自然との対話など、工夫を凝らした作品もアチコチに。親子短歌が面白かった。 例えば、
「母さんのやさしい顔がとても好き 優しい顔の理由(わけ)はきみだよ」、
「母さんの教育法は鬼レベル たまにはさせてよ 仏の顔も」
など、どれも温かい親子の愛情が伝わってきた。
この児童作品展の趣旨は、「子どもの手から生み出されるものには、その子の魂が宿っています。全身をつかい、次からつぎへと創り出していく子ども。その書や造形には、子どもたちの世界は広がります。私たちは、それを大切にするとともに、その作品が語りかけてくる未来を思います。‥」とある。
会場のあちこちで、子どもの作品を前に写真撮影が。お母さんに自分の作品を熱心に説明する子どもの嬉しそうな顔。それを聞くお母さんの顔も輝いている。こんな光景が見られるのも、児童作品展ならでは。子どもたちは作品を通して、親子のコミュニケーションというもうひとつの場(作品)を創り出しているのかもしれない。
楽しく、温かいひとときに感謝して会場を後にしました。
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