鎌倉生活 2012年 9月10日号 1ページ  
   
   子どもの素朴な疑問をやさしく解き、学ぶ楽しさを育んでもらおうという子ども大学か鎌倉にも開校する。まずは「かまくら学」からスタート。もう一つの学び舎として、たくさんの子ども達の参加を期待している。

 
 

   一味違う学び合いの場に 

理事長の田上寛さん

  「なぜ」、「どうして」…、子供は成長とともに自然や社会、人間への興味、関心を深め、好奇心、想像力を膨らませる。「学びの原点がそこにあるんです。子供の素朴な疑問に大学教授やその道の専門家がわかりやすく授業する。そんな学校とは一味違う学び合いの場をつくっていきたい」と、NPO法人こども大学かまくら(申請中)の代表・田上寛さんは設立の趣旨を語る。
 こども大学というのは2002年にドイツのチユービンゲンに始まり、ヨーロッパに100校近くあるという。その日本版第1号が2008年埼玉県川越市に誕生したNPO法人子ども大学かわごえで、いまや埼玉県全域に広まっている。2009年、田上さんは子ども大学かわごえを見学した。
「子供たちがどのような態度で授業を受けているのか興味があったのですが、2時間の授業を熱心に聞き入り、本当にいきいきしてたんです。私もすごく楽しかった。これはいいというのがはじまりでした。」 (田上さん)
 早速、鎌倉にもと2010年に設立準備委員会を立ち上げ、開校に向け取り組んできた。当初は、昨年からスタートする計画だったが、東日本大震災などもあり、開校は今年の12月1日に。
 そして、子ども大学かまくらの学長に養老孟司さんの就任も決まった。

  対象は小学校4〜6年生 

  講座は、“なぜ”を追求する「はてな学」、“いかに”生きるかを学ぶキャリア教育「生き方学」、“どこ”(生活の場)を知る「ふるさと学」で構成。初年度は、鎌倉市の世界通産登録推進に賛同し、子ども達にふるさと鎌倉を知ってもらおうということで「かまくら学」の授業に。
 スケジュールとテーマは、次の通り。(予定)
・第1回授業 「なぜ鎌倉に幕府ができたのか」12月1日午後2時〜 鎌倉生涯学習センターで
・第2回授業 「なぜ鎌倉にお寺が多いのか」2013年1月 鎌倉生涯学習センター
・第3回授業 2013年2月 「鎌倉大仏のヒミツ」
・第4回授業 2013年3月「鶴岡八幡宮のヒミツ」
 対象は小学校4〜6年生。募集人数は100人。受講料は500円。「保護者同伴を原則としますので、お母さんたちもぜひふるさと鎌倉を知ってほしい。 そして、家に帰ったらご家族で会話がはずんでくれるとうれしいですね。」 

  今後地域との連携を   

 もともと公教育は社会に根ざし、社会とつながって発展していくのが理想だが、ともすると現実は逆の方向に。ドイツの子ども大学では地域の大学の教授が大学の講義室で子供たちにわかりやすく講義し、これが人気を呼んだ。子ども大学かわごえでも、地元の3大学が連携をとっている。鎌倉は、唯一鎌倉女子大学があるが、今後どのような連携をはかるかも課題。
 また、地域とのつながりを考えれば、行政、商工会議所、こども会、自治会、ほかのNPOなどとの交流も欠かせない。
 「正式にNPO法人の許可が下りれば、活動の幅も広がってくる。そしてやがては活動の主体を若者が担ってほしい。私達はそのレールづくりです」と田上さん。軌道に乗せるためにも、ボランティア、賛同者を増やすこと。「ぜひ多くのみなさんに参加いただきたい」と呼びかける。
 参加・問合せは、NPO法人子ども大学かまくら(鎌倉市山ノ内1383TEL0467−23−3156 田上さん)まで

 
 
 
     
 
 不朽の名曲「さくら貝の歌」は、作曲家八洲秀章の純愛物語から生まれた。
 八洲が故郷の北海道真狩村で一人の女性に想いを寄せながら上京。3年を経たある日、その女性が枕辺に現れた。やがて彼女が亡くなったことを知る。悲嘆にくれ、由比ガ浜海岸に打ち上げられた一片の桜貝を見て、八洲は「わが恋の如くかなしやさくら貝かたひらのみの寂しくありて」と詠う。昭和14年のこと。この短歌を元に、友人の土屋花情が詩をつくり八洲が作曲し誕生したのが「さくら貝の歌」で、大ヒットした。
 かつて、由比ガ浜海岸は桜貝の貝殻が多数打ち上げられて、まるでさくら貝のじゅーたんのようだったという。「この由比ガ浜にさくら貝の歌の歌碑を建設しようという話は十数年前にあったのです。海の安全や環境づくりなどにも取り組んで、かつての美しい海岸の復活を祈念しようという想いも込めて、ようやく実現することになりました。ほんとうに感無量ですね」と、実行委員長の蓼沼誠一さん。
 建設場所は、神奈川県から借用し、由比ガ浜海岸入口花壇の一角。歌碑は、茨城県産の石に「さくら貝の歌」の歌詞と音譜、桜貝も埋め込まれる。除幕式は12月16日の日曜日を予定。建設総工費は300万円。
 現在、賛同者を募っており、「寄付者は記念冊子に記録します。そのため住所、氏名、電話番号をFAXで知らせてほしい」 (事務局・木村由利子さん)。

建設基金口座横浜銀行鎌倉支店 普通6016582さくら貝の歌歌碑建設実行委員会
問合先‥事務局木村由利子さんTEL/FAX0467−23−3954

 また、9月25日には鎌倉芸術館大ホールで“さくら貝の歌・歌碑建設支援コンサート”『八洲秀章「さくら貝の歌」抒情歌を唄う会』(午後2時開演)も開催される。料金999円(全席自由)。歌唱リーダーは八洲秀章の子息・沢木順氏。申込み、問合せはTEL/FAX0467−44−4401、携帯090−9368−4708沢木さんまで。
 
   
 
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