一味違う学び合いの場に
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理事長の田上寛さん |
「なぜ」、「どうして」…、子供は成長とともに自然や社会、人間への興味、関心を深め、好奇心、想像力を膨らませる。「学びの原点がそこにあるんです。子供の素朴な疑問に大学教授やその道の専門家がわかりやすく授業する。そんな学校とは一味違う学び合いの場をつくっていきたい」と、NPO法人こども大学かまくら(申請中)の代表・田上寛さんは設立の趣旨を語る。
こども大学というのは2002年にドイツのチユービンゲンに始まり、ヨーロッパに100校近くあるという。その日本版第1号が2008年埼玉県川越市に誕生したNPO法人子ども大学かわごえで、いまや埼玉県全域に広まっている。2009年、田上さんは子ども大学かわごえを見学した。
「子供たちがどのような態度で授業を受けているのか興味があったのですが、2時間の授業を熱心に聞き入り、本当にいきいきしてたんです。私もすごく楽しかった。これはいいというのがはじまりでした。」 (田上さん)
早速、鎌倉にもと2010年に設立準備委員会を立ち上げ、開校に向け取り組んできた。当初は、昨年からスタートする計画だったが、東日本大震災などもあり、開校は今年の12月1日に。
そして、子ども大学かまくらの学長に養老孟司さんの就任も決まった。
対象は小学校4〜6年生
講座は、“なぜ”を追求する「はてな学」、“いかに”生きるかを学ぶキャリア教育「生き方学」、“どこ”(生活の場)を知る「ふるさと学」で構成。初年度は、鎌倉市の世界通産登録推進に賛同し、子ども達にふるさと鎌倉を知ってもらおうということで「かまくら学」の授業に。
スケジュールとテーマは、次の通り。(予定)
・第1回授業 「なぜ鎌倉に幕府ができたのか」12月1日午後2時〜 鎌倉生涯学習センターで
・第2回授業 「なぜ鎌倉にお寺が多いのか」2013年1月 鎌倉生涯学習センター
・第3回授業 2013年2月 「鎌倉大仏のヒミツ」
・第4回授業 2013年3月「鶴岡八幡宮のヒミツ」
対象は小学校4〜6年生。募集人数は100人。受講料は500円。「保護者同伴を原則としますので、お母さんたちもぜひふるさと鎌倉を知ってほしい。
そして、家に帰ったらご家族で会話がはずんでくれるとうれしいですね。」
今後地域との連携を もともと公教育は社会に根ざし、社会とつながって発展していくのが理想だが、ともすると現実は逆の方向に。ドイツの子ども大学では地域の大学の教授が大学の講義室で子供たちにわかりやすく講義し、これが人気を呼んだ。子ども大学かわごえでも、地元の3大学が連携をとっている。鎌倉は、唯一鎌倉女子大学があるが、今後どのような連携をはかるかも課題。
また、地域とのつながりを考えれば、行政、商工会議所、こども会、自治会、ほかのNPOなどとの交流も欠かせない。
「正式にNPO法人の許可が下りれば、活動の幅も広がってくる。そしてやがては活動の主体を若者が担ってほしい。私達はそのレールづくりです」と田上さん。軌道に乗せるためにも、ボランティア、賛同者を増やすこと。「ぜひ多くのみなさんに参加いただきたい」と呼びかける。
参加・問合せは、NPO法人子ども大学かまくら(鎌倉市山ノ内1383TEL0467−23−3156 田上さん)まで
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