鎌倉生活 2012年 6月10日号 1ページ  
 

   笑顔が集う市民憩いの場 

 「はなしょうぶが見頃と聞いて来ました」と3人のおばあさんたち、「○○ちゃん、芝生でお弁当にしましょう」と飛び跳ねる子供に声をかけるおかあさん、カメラ片手に園内を歩く写真愛好家などなど、フラワーセンター大船植物園(通称・フラワーセンタ−)は、いつも笑顔いっぱい。
 園内には、約5千余の種・品種の樹木や草花が栽培、展示され、四季折々の彩りを楽しむことができる。春から夏へのこの季節は、バラ、しゃくやく、はなしょうぶ、あじさいなどが咲き誇り、まさに、花の楽園、市民の憩いの場。

  “大船系”品種も多数 

  大船駅からバスで5分、歩いて十数分の鎌倉市岡本にフラワーセンターが誕生したのは、昭和37年7月16日。もともとは大正9〜12年に横浜の保土ヶ谷町から移転した県の農業試験場があったところで、その後、平塚への移転にともない、跡地を神奈川県内の観賞植物の生産振興と花き園芸の普及と植物に親しむ場の提供を目的にフラワーセンターとして開設された。
 明治末から昭和の初めにかけて、輸出を目的に海外で人気の花の品種改良が積極的進められ当地で生まれた品種を“大船系”と呼ぶ。しゃくやくは現在200品種、2000株と全国有数の規模を誇っているし、はなしょうぶも約160品種、1300株におよぶ。これらのなかに大船系の品種も多数あり、こうした大船系がまとまってみられるのはもちろんフラワーセンターだけ。日本を代表する園芸植物園なのだ。

「みなさんで50周年祝っていただければ」 と坂本園長

   協力団体や地域がバックアップ 

  今年は、このフラワーセンターが開園50周年。そこで、同センターでは、さまざまな記念イベントが企画されている。
 当初は職員のみで取り組みを考えていたが、園内展示場で協力関係にある園芸関連の団体、地域の自治町内会、社会福祉協議会、玉縄城築城500年祭実行委員会などが支援を申し出て「フラワーセンター大船植物園50周年記念行事実行委員会」(委員長・神奈川県盆栽連盟会長・金井孝芳さん)を立ち上げ動き出したのである。「うれしかったですね。関係団体や地域の皆さんがこぞって協力してくださった、年間通じた、まさに手作りのイベントとなりました。」と園長の坂本英介さん。

   7月16日は入園無料 通年でイベント実施 

早朝開園でハスの開花を見ませんか

  さてイベントだが、開園記念の7月16日(月)は、入園無料とし、様々な催しが開かれる。
愛好家ならずとも見逃せないのが、「はすの花観賞 早朝開園」。7月14日からこの16日までの3日間、6時に開園し、開花するはすの花を見てもらおうという趣向。「はすは咲き始めが最も美しい。早朝開花の瞬間を見ていただければと思います」 (坂本さん)。
 また、先着3000名に花のプレゼントもある。「何の花かは、その日のお楽しみ」だそうだ。
 「花にまつわる講演会」(11:30〜12:10)には元園長の並河治さんが、フラワーセンターの歴史を織り交ぜながら、さまざまな花について講演。次いで、花をバックに「ミス鎌倉 写真撮影会」(12:00〜13:00)も。
 13:30〜14:30は鎌倉市内小学4〜6年生によるビッグバンド編成、植木リトゥルエコーアンサンブル・コンサートが芝生広場で開催。小学生とは思えない迫力満点のジャズ演奏が園内に響き渡る。15:00〜15:40は、鎌倉女子大学中二尚等部による園内パレードも。全国大会で25回も金賞を受賞しているバンドの演奏・ダンスが花いっぱいの園内を行進する。
 この日は、新鮮な地元野菜や手作りパンなどの即売会もあるのでお楽しみ。

    フラワーフェスティバ ルも充実開催 

  このほか、実施されるイベントは次の通り。
 フォトコンテスト受賞作品展示会(7月12日〜29日)。園内で撮影された四季折々の植物を題材とした約1千2百点の応募作品の中から、園長賞、かながわトラストみどり財団理事長賞などの優秀作品を展示する。
 「お花の特別植栽展示」(7月10日〜9月30日)は50周年を記念して、花壇などの特別展示。ガーデナーにとっては見逃せない。
 「玉縄城500周年記念特別絵画展」(10月2〜8日)玉縄城築城500年祭実行委員会による記念祭の一環で、玉縄城興亡の歴史を、平井栄勝氏の絵画で辿る。
 また、例年行われるフラワーフェスティバルを50周年記念とし、これまで以上に拡充し開催。参加団体も増え、物販やフリーマーケットも開催予定。(10月27日〜28日) 「50周年記念菊花大会」(10月28日〜11月25日)。菊花大会は開園と同じ50周年を迎えることで、特別展示など、多彩な内容を企画。
 「地域の皆さんや協力団体に背中を押していただき、職員も張り切っております。ここ2年はど入園者数が伸び悩んでいるので、50周年を機にフラワーセンターにもっと親しんでいただけるようにしたいですね」と坂本さん。花と緑の中で心身のリフレッシュはいかが。

※詳細な情報は実行委員会事務局へ (フラワーセンター大船植物園 46−2188)

 
 
 
   
 
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