昨年3月11日の東日本大震災から1年。10日、11日、亡くなられた方を悼み、供養し、被災者への支援と祈りを込めて宗旨・宗派を超え鎌倉の宗教団体による一周忌追善法要・鎮魂の万灯会」「追悼・復興祈願祭」が催された。
長谷寺
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ローソクの灯りが一斉に輝く |
4年前から万灯会を開催している長谷寺は、昨年5月7日も被災者への供養と復興祈願法要を行った。あれから1年、今年はこの長谷寺で鎌倉の仏教界、浄土宗、真言宗、臨済宗、日蓮宗が一同に会して、3月10日、東日本大震災一周忌追善法要を行うことに。その名も「鎮魂の万灯会」。
「鎌倉の仏教宗派が集ってのお祈り。もちろん初めてのこと。日頃行っている4宗派の勤行が一度に見られます」と、長谷寺総務室主幹・松田寿夫さん。
当初 11日を予定していたが、建長寺での追悼・復興祈願祭と重なるため、「夜空の下、皆さんの心をこめたローソクを灯して、前夜祭にしよう」ということで10日に。
参加寺院は、浄土宗が長谷寺、安養院、真言宗が覚圓寺、明王院、浄光明寺、成就院、極楽寺、日蓮宗が本覚寺、臨済宗が建長寺、円覚寺、報国寺、浄智寺、浄明寺、海蔵寺。夕刻、午後5時20分、三十数名の僧侶が山門より観音堂・阿弥陀堂に入堂。30分から各宗派の僧侶が二つの堂交互に勤行を行う追善法要が行われる。(日蓮宗は観音堂のみ)一般参加者は焼香。
7時から、一般参加者等の奉納による約2千の万灯ローソクが灯され、夜空を照らす前で由比ガ浜の海に向かって鎮魂と慰霊の読経が厳かに響き渡り、4宗派合同の追善法要が執り行われる。
ローソクの奉納金は被災地復興に寄付される。
当日は、午後5時から山門を無料開放。「鎌倉にも避難されておられる方もおります。市民ともども皆さんがお祈りいただければと思います」と松田さん。
■問合せ・TEL22−6300(長谷寺)
建長寺
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散華、ローソクの魂入れ式 |
昨年3月11日の東日本大震災から1ケ月後の4月11日、犠牲者を哀悼、被災者への復興を願い鶴岡八幡宮には宗派を超え鎌倉中の宗教者が集まり、一般参列者と共に心を一つに祈りを捧げた。そして1年、明日3月11日に、神道・キリスト教・仏教の宗旨・宗派を超えた追悼・
復興祈願祭が建長寺で開催される。
「この1年間、復興への課題は山積。困難を乗り超えるには、新しい国をつくる気持ちで取り組まねばと思いを馳せたとき、建長寺の寺号がまさに巨福山建長興国禅寺、国を興すとあり、その思いをこめて追悼・復興祈願の場に決まったということです」
と覚囲寺副住職の仲田順昌さん。
宗派を超えた祈りの象徴として今年は、1つの輪の中に神道の榊、キリスト教の白百合、仏教の蓮をあしらったシンボルマークもつくられた。
また、復興祈念の品に散華とローソクが販売され、収益は建長寺観音募金を通じ復興資金に。市内の寺院、鶴岡八幡宮、キリスト教会で販売される。
三宗教合同の大法要は午後2時30分から。まず、各宗派の宗教者が共に境内を巡り、震災が襲った時刻2時46分に、大鐘が打ち鳴らされ1分間 の黙祷後、法堂に入り各宗の法要が行われる。一般参列者は法堂前で順次焼香を行うことに。終了は午後4時。
また、大震災後の停電でローソクで過ごした体験をした人は多い。「その時の気持ちを思い起こし、ローソクの灯りで過ごして見ませんかと一般の方々だけでなく市内の飲食店にも働きかけてきました」(仲田さん)。
この日、建長寺では午後1時から、東北大震災チャリティ“つぶてソングの集い in 建長寺”、4時30分からは「いのり・きづな・つなぐ」チャリティコンサートも開催される。
当日は拝観料無料。
■問合せ・TEL22−0981(建長寺)
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