難攻不落の玉縄城を知るには
玉縄城の菩提寺・龍賓寺の境内に玉縄ふるさと館がある。ここにまちづくり会議メンバー等の手作りという玉縄城域模型が設置してあり、玉縄城址を中心の玉縄地域全体を掴むことができ、また、たくさんの民具とともに玉縄城大手門柱礎石や本丸礎石も展示され、玉縄の歴史の一端を知ることができる。玉縄城址や玉縄のまちを知るにはここからスタートするのがよい。というのも、玉縄城の主郭跡には清泉女学院中・高等学校が建ち、周辺も開発されたりで、史蹟を辿ることが難しいからだ。
この失われようとする玉縄の歴史と自然の魅力を再発見し、玉縄の新しいまちづくりの出発点にしようと起ち上がったのが、玉縄在住の荒井章さん。平成18年7月の「市長への手紙」を皮切りに、行政と市民の協働を旗印に、「玉縄城500年祭」、「玉縄城址公園づくり」をめざし活動はスタートしたのだった。
市と住民協働で玉縄再発見事業
それから6年、“汗出し、知恵だし、声援”でまちづくりをしようという呼びかけに集まったメンバーや住民、自治町内会、清泉女学院などの支援・活動により、再発見事業は着々実を結ぶ。
玉縄民族資料館をリニューアル、国指定重文の旧石井家住宅と併せ玉縄ふるさと館に。そして、城址の確認作業、大手門の復元や太鼓やぐちの整備、縄張り(測量)調査。なかでも玉縄城への道七曲坂の復元整備は大変だった。歴史の道「七曲坂整備」はアダプト・プログラムとなったが「入口もわからない、雑木、竹類、カミヤツデ等がうっそうとして暗く、こわいくらいでした」と広報担当の荒井幸子さん。
それが雑木、雑草を刈り取り、道を整備し、自然の学校を開催し、地元の3小学校生徒が水仙、菊、チューリップを植えるなど花壇もできベンチも設置、さらに山全体に300本のゆりの球根も植えられ、今では散歩道に生まれ変わっている。
連続セミナーで歴史も勉強
一方、玉縄の歴史を知り、ふるさとを再発見してもらおうというねらいで、「玉縄歴史アカデミ⊥を設け、連続セミナーも開催してきた。第1回「玉縄城の遺構を読む」に始まり、この2月は12回目で「快元僧都記の世界」をテーマに12日、19日、26日に伊藤一美氏(NPO法人鎌倉考古学研究所理事)を講師に玉縄学習センターで開催される。
「勉強になりますし、玉縄がこんなすばらしいところだったのかと、わくわくしながら聞いています」とはある参加者の感想。
この他探索会もあり、ゆかりの地のバスツアーなども人気。
清泉女学院をメイン会場にまつりを開催
そして迎える500年祭。
まず、4月8日鎌倉まつりのパレードに参加。11月4日は、龍賓寺に宗派を問わず玉縄の住職が参集し、法要が行われる。500年祭式典会場は清泉女学院講堂。七曲坂を通り、裏門から会場に向かうこともできる。小田原からは大太鼓も来玉、演奏会、コーラス等々、さまざまな催しが企画されているようだ。
500年祭に向け、玉縄からは目が離せない。
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