鎌倉生活 2011年7月10日号 1ページ  
 

  ツイッターで市長も賛同 

 あの大災害を目の当たりにして、誰もが何かできないだろうかと思ったのでは。大船まつりが中止となり、町を活気づけるイベントもなくなった。大船2丁目でコンビニを経営する鈴木健介さん達も、「何かできないか」と考え続けていた。そんな時、ひんばんに目にする被災地に岩手県の大船渡市が。「大船とは1字ちがい。この地名の縁で支援活動ができないかという話になりましてね」と鈴木さん。それをツイッターで発信したところ、「それはいい。ぜひやりましょう」と松尾崇市長もツイッターで応答。支援活動に熱心に取り組んでいるてらこやネットワーク顧問の湯沢大地さんも加わり「Ohfuna to Ohfunato」は動き始めた。
 6月初めのことである。

  大船渡と大船で役割分担 

 湯沢さんは青年会議所時代の人脈やてらこやネットワーク関係の知り合いが多く、震災後すでに十数回、支援のため東北を訪れている。そこで、岩手側の交渉役に。
 「とはいっても大船渡の人たちは身動き取れない状態です。そこで岩手県花巻市や北上市の友人に動いてもらいました」と湯沢さん。
 一方、鈴木さんは大船の商店街や有志など地元をまわり協力依頼に動く。
 大船駅東口の4つの商店会も賛同し、大船商栄会会長の武井福太郎さんが実行委員長に就任した。
 この活動で特徴的なのは、若手商店主や一般市民などボランティアによって支援の輪が広がっていったことだ。スタートして1ケ月足らず7月16日の開催となった。

  「かもめのたまご」や ミス大船渡も参加 

 さてイベントの内容だが、目玉は岩手県物産展。
 大船渡市からはいまやすっかり人気商品となった「かもめのたまご」、三陸わかめなどなど7品目、この他、花巻市や北上市の「北上コロッケ」(実演販売)、各種銘菓、日本酒、麺類など、産地ならではの物産が多数並ぶ。
 この物産展には、鎌倉の岩手県人会メンバーが売り手となって協力する。
 そして、ミス大船渡市の「つばき娘」も観光PRで大船に。
 路上コンサートは、地元から太鼓や踊り、ソーラン節、コンサート、お囃子などが披露されるが、大船渡からも歌手「大船わたる」さんが登場。
 飲食店の出張出店コーナーも設けられ、どんなメニューが披露されるか楽しみ。模擬店もいろいろ出店するので、家族揃って楽しめそう。
 また、会場にはミス鎌倉、湘南鎌倉ライオンズクラブ、鎌倉学園高校、大船中学校ボランティア部が復興支援のための募金活動を行う。「皆さんできる範囲で協力していただければうれしいですね」(鈴木さん)。

  復興支援は10年続けたい 

 イベント開催の資金集めも一苦労だ。そこで、商店などに1枚1千円でポスターを販売したり、会場でシンボルマークを染めた特製Tシャツ(2千円)の販売も行う。
 このイベントで上がる収益金、募金は全額大船渡市に手渡され、岩手の復興に役立ててもらう。
 問題は、支援金が有効かつすみやかに役立つことだ。というのも、被災から4ケ月、全国からたくさんの義援金が集まっているにもかかわらずほとんど被災者に届いていないからだ。そこで、松尾市長が大船渡市長に直接手渡す予定である。
 「支援は1回きりで終わりということにならない。10年は続けていきたい。」と湯沢さん、鈴木さん。交流が深まれば、両市が姉妹都市に発展することも考えられよう。復興を見守りながら、蘇った大船渡と大船が手を結ぶ日は近いかもしれない。
 「これは大船の活性化にもなります。1人でも多くの方が大船渡支援に大船を訪れ、コミュニケーションを深めてもらえればと思います」と実行委員長の武井さんも多くの人の参加を期待する。

 

 
 
 
     
copyright (C) YUUGISHA. CO.,LTD All Rights Reserved
about us/自費出版