鎌倉生活 2011年4月10日号 1ページ  
 

  次々運び込まれる支援物資受付整理などボランティアも大活躍 

 3月31日木曜日の午後2時半、御成小学校へ大きな荷物を抱えた女性や荷物を積んだ車が次々入っていく。この日は、鎌倉市による東北地方太平洋沖地震被災者・避難者への支援物資受付けの最終日とあって、会場となった御成小学校講堂はてんてこ舞いの忙しさ。
 初日の3月26日はPR不足もあって80件と少なかったが、翌27日は一気に3倍の242件と急増。そして、最終日のこの日にはさらに増え300件にのぼった。
 「少しでもお役に立てればとタオル、シャツなどお持ちしました」と、近所に住むというお母さん。ヨイショ、ヨイショと運び込む親子連れあり、老夫婦あり…。車の出入りもひっきりなし。 新鎌倉山自治会は乗用車5台で乗り込んだ。「個人がそれぞれ運ぶのは大変ということで、自治会でまとめてようということになったら次々集まりました。感動しましたね」と高木裕昭会長。
 支援物資の対象品目は、新品、未開封、クリーニング済の物という条件付きで、毛布、タオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、高齢者や赤ちゃん用紙おむつ、生理用晶、飲料水、下着、郵便ハガキなど必需品ばかり。持ち込まれる品物のほとんどが新規購入品のようだ。
 受け入れ側の対応も大変。スムースに処理しないと渋滞してしまう。交通整理に始まり、受付、仕分け、品物別の箱詰め等々の業務は、市民、学生、ガーディアンズなどのボランティア、延べ200人が担当した。
 こうして6日間の受け入れ期間に集まった点数は、17万2611。支援物資は県経由で被災地に運ばれることになっている。第1回分は29日に段ボール209箱を2トントラック3台で運び、2回目の31日は7台分(412箱)、さらに4月4日に最終5台分(約300箱)が市民の思いを一緒に詰め込んで鎌倉を発った。

 

 
 
 
 

▼東日本大震災から1ケ月、追い打ちをかけた福島第一原発事故。被災地のむごすぎる爪痕。でも、草木の芽吹きのように温かく、強く、やさしく、生きんとする嬉しいニュースも。
▼支援の輪も、全世界から。自然の脅威と人災の恐怖に打ちのめされた被災者たちへ寄せられるたくさんのエールが育む、希望の芽吹き。
▼禍を希望に転ずるのは、サバイバル、競争の社会にはない。共生、支え合いの社会の創造を。
政治家が、官僚がお題目のように唱えてきた安心・安全″の社会をこの被災地に作りあげることこそが、未来に向けての真の復興。世界の目は、その一点に注がれている。
 
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