声でお役にたてるなら
日本の高校、大学などの授業料は世界でも飛び抜けて高い。長引く景気の低迷はアルバイトで何とか学費、生活費を賄う苦学生たちをモロに直撃する。テノール歌手の小林彰英さんは、そんな苦学生の生の声を新聞記事で読み、胸を打たれた。
声楽活動でそのような学生に何か手助けできないものか。音楽仲間や知人にふと話したことが、チャリティコンサート開催へと膨らんでいった。
「今年の1月初めでしたね。小林さんはこのようなことに声が使われることも使命の一つ.と言いましてね。それならと皆が動き出したのです」。かねてからつきあいのあった鎌倉社会福祉協議会常務理事の金川剛文さんも、即座に賛同した。第1回鎌倉芸術祭に参加した(木の命)コンサートの主催者だった鎌倉発愛のメッセージも休眠状態から再結成され、一緒にやろうということに。
2人のソリスト足長おじさんに
出演者は、小林さんのコンサート仲間、バリトン歌手の太田直樹さん、ソプラノ歌手・亀田眞由美さん(友情出演)、ピアニストの坂元陽子さんの4人。
国内外で演奏活動する2人のソリストの友情から生まれたチャリティーコンサ」ト。学業を継続するのに経済的に苦労している学生のために、収益金は全額奨学援助のために寄付される。そこで、交通遺児など広く学生への援助の意味で使われる足長おじさんにちなみ「二人の足長おじさんチャリティコンサート」となった。
日本、世界、オペラの名曲を披露
「他の声楽家が行うコンサートとは違った内容にしようということでプログラムづくりには悩みました」と金川さん。そして、日本の歌、世界の歌、オペラ・オペレッタの三部構成に。
日本の歌は、誰もが口ずさんできた唱歌、童謡など。ソリストが歌う名曲をこれだけたっぷり聞ける機会は少ない。
世界の歌も名曲ぞろい。2006年トリノオリンピック女子シングルで金メダルに輝いた荒川静香のテーマ曲にもなった誰も寝てはならぬ「トゥーランドット」や「君がほしい」を小林さんが、「君を愛す」「魔王」を太田さん、「どこへ行くインドの女」(鐘の歌)を亀田さん等々。3部のオペラ・オペレッタも名曲が並ぶ。「3人の歌手が全力で歌います。普段ではあまり聞けないコンサート。それだけに満足してもらえると思います」(金川さん)。
手弁当で練習を続け半年余。「一人でも多くの学生が学業を継続していければ。そのためにもみなさんぜひコンサートに足を運んでほしい」。
チケットは、鎌倉芸術館(TEL48−4500)、たらば書房(TEL22−2492)、松林堂書店(TEL22−0846)、ビストロガレ(TEL25−2030)へ。また、Eメールで申し込むと、指定席券が。
■Eメールアドレス/gbgtp865@ybb.ne.jp
■問合せ 鎌倉愛のメッセージ TEL080(5544)2490
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