鎌倉生活 2009年9月10日号 1ページ  
 
    2010年の北鎌倉駅のバリアフリー化を前に、JRが計画案を住民に説明。改札が鎌倉寄りにしかなく狭い、朝の混雑はラッシュ並みとあって、バリアフリー化により安全性、利便性が高まるのか。さらに北口開設は‥・。北鎌倉駅は問題山積である。

   利便性向上のための会議だが… 

  バリアフリー新法の制定は2006年12月。1日の乗降人員が5000人以上の駅はエレベーターやスロープなどによるバリアフリー化が義務づけられている。その期限は2010年。JRも各駅のバリアフリー化を進め、1日乗降人員が1万7000人の北鎌倉駅ももちろんその対象。そこで、8月22日(土)、「北鎌倉駅の利便性向上のための地元関係者会議」が開かれ、北鎌倉駅のバリアフリー化実施についての説明会とともに、地元の要望が強い北鎌倉駅北口開設について話し合いが行われた。
 出席したのは鎌倉市役所、東日本旅客鉄道横浜支社の関係者始め、TR北鎌倉駅北口新設を望む会」や地元の町内会、学校関係者など約30名。

   繰り返される朝のラッシュ 

  北鎌倉駅は1930年の開業。
 「古都にふさわしく静かで素朴な駅」として「駅100選(関東)」にも選ばれ、小津安二郎監督の「麦秋」はじめ映画にもたびたび登場している。いまでも開業当時の駅舎が使われており、観光客の人気は高い。しかし、ホームが狭い上に、改札が南側(鎌倉寄り)しかないため、朝は乗車を急ぐ通勤・通学客に対し、駅周辺の鎌倉学園、大船高校、北鎌倉女子学園の学生がどっと降りてきて、ラッシュ状態が繰り返され、観光シーズンともなれば、観光客の列が連なる安全面では問題の多い駅だ。
 いったいJRはどのようなバリアフリー化を計画しているのか。
 JR側の説明によると、@改札を入り3層停止のエレベーターを新設。(改札面、踏切面、上りホーム面の3層)
A階段を設け、踏切から下りホームへ連絡する。(階段幅は現在の3b余から2bに狭まる)
B多機能トイレを新設する。
C下りホームは7bのスロープを設け、その分ホームを大船方向に7b延伸。停車位置も10bほど大船方向に下げる--というのが主な内容。

   いくつかの問題点が 

 この説明を受け、質疑応答が行われた。
問・下りホームのスロープの勾配は?
答・約8%でガイドラインに沿ったもの。
問・工事に関連しての土地の新規手当、財源は?
答・新たな用地買収はない。エレベータは市の支出と国の補助金で。
問・改札口はどうなる?
答・現状では車椅子が通れないので広げる。
問・階段が2bと狭くなるが、朝の時間帯など乗降客の混雑は従来以上にひどくなる。機能しなくなるのでは。
答・我々の研究では2b幅でも十分対応できると考えているが、今後検討する。
問・改札手前の北鎌倉女子学園用と下りホーム中程に開かれる高校生のラッシュ緩和のための臨時改札口はどうなるのか。
答・北鎌倉女子学園用は計画にない。下りホームは現状のまま。
 この他、「混雑解消どころか危険が増す」、「エレベータでなく上りもスロープで対応できないのか」などの意見が。

   駅は町との結節点 

 また、北口開設に関して、北村充成市場町内会会長より「駅の混雑解消、安全のためにも是非北口開設を」という要望があったが、JRは「駅は町との結節点、まちづくりの構想の中で駅のあり方も検討されるべき」という考え方。
 これに対し、市は今後住民、専門家を交えた協議会の設置を検討するとしたが、利便性だけでなく、混雑解消、危険回避、安全性の面から早急に取り組むべき問題住民とJRの結節点となっている市への期待は大きい。

 
   
 
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