傘を広げたように放射状に伸びる管物咲
|
今年46回目を迎えた神奈川県菊花大会が県立フラワーセンター大船植物園で開催されている。県内では最大規模の菊花展、園内に入るとすいれん池に沿って特設テントが設置され、厚物咲、管物咲、一文字咲などの大菊から、下方に垂れ下がった懸崖、嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、江戸菊といった古典菊まで色、形、花柄など多種多様な菊がずらりと並ぶ。
こうしたテントはロックガーデン近くにもあり、切り花の第1展示場、小菊盆栽の第2展示場と展示スポットは数カ所に分かれ、県内各地区菊花連所属の菊名人が丹精込めて育て上げた作品が約1000点も展示されている。
菊の種類は多種多様
白、黄、赤、紫など鮮やかな菊の美しさを愛でるには、まず大ざっぱな種類を知っておくと良い。ちなみに大菊を紹介すると…。
@厚物咲=花弁が鱗状になっていて、中心の一点に向け幾重にも重なって咲く。大菊といえばこの花を指す。一番外側の花弁が長く突き出たものは厚走りと呼ぶ。A管物咲=花弁のすべてが中空の筒状になって傘を広げたように放射状に伸びる。花弁の太さによって太管、間管、細管、針管に分けられる。B一文字咲=大菊では唯一の一重咲き。花弁十数枚が平たく咲く。その花形から、御紋章菊ともいう。C大掴み咲=走り弁が垂れ下がり、中心に向け盛り上がって咲く豪快な花形。
また、古典菊も前述のように多種多様。会場には県内各地区菊花連メンバーが詰めており、菊の管理や来場者への応対をしているので、気軽に尋ねることだ。
菊作り名人の 話も楽しい
なにしろ、菊作り何十年の名人、ベテランばかり。「菊作りは奥が深い。土の状態、肥料の配合、水やりなど気象条件によって変わるので、目が離せない。各人各様のノウハウを持っているので、うんちくを聞くだけでも楽しいですよ」とは、毎年菊花展を訪れるという男性の弁。
「菊作りを始めたらゆっくり休めるのは正月だけですよ」とはこれまで賞を何度かもらったという名人の話。「手間のかかること、子育てどころではない」そうだ。
今年は夏の猛暑で、名人達もかなり苦労したという。
切り花、鉢植え、小菊盆栽、古典菊など部門ごとに品評会も行われ、農林水産大臣賞、県知事賞などの作品も展示。名品を堪能するのも楽しい。
菊苗の販売、カレンダー、本などの販売も行っている。
展示は24日まで。(4、10、17日休園)
入園料は、20歳以上350円、20歳未満250円、65歳以上と高校生以下は無料。
問合せは、TEL46−2188(県立フラワーセンター大船植物園)。 |