市民社会確立の推進役・NPOの支援組織  
  NPOセンターが
設立10周年に


市民社会づくりに果たすNPO活動の役割は大きい。10年前、鎌倉市はこうしたNPOを支援するために市民が運営するセンターを設立してきた。10周年を迎え、5月24日に記念式典ほか各種イベントが計画されている。

   NPO活動はあらゆる 分野に進出。

  全国初の公設市民運営(施設や機材を行政が用意し、運営を市民が行う)として鎌倉市市民活動センター(鎌倉NPOセンタ」が誕生したのは1998年5月1日。
  センターの役割は、市内のNPO活動を支援することにある。具体的には、活動の拠点NPOセンター鎌倉・大船の運営、情報提供、学習・研修講座の企画、相談活動、「NPO支援かまくらファンド」の運営など。現在14名のスタッフが日々活動している。
  当時、鎌倉NPOセンターへの登録団体は181だったが、いまは331団体に増えた。「活動の対象も環境や福祉関係が多かったのが、いまは生活、文化など非常に多岐に亘っています。」と鎌倉市市民活動センター運営会議事務局長の渡遽公子さん。ここ10年でNPO活動は広く認知され、あらゆる分野に浸透してきたことを物語っている。

 顕著な男性の参加

  なかでも際だった特徴は、男性の進出が著しいこと。「会議のメンバーもかつては女性が圧倒的でしたが、今は4対1で男性が圧倒しています」という。リタイア後の第2の人生をどう生きるかが、男にとって一大テーマだったのが、NPO活動を通して社会参加するスタイルかかなり定着してきたことの表れといえようか。濡れ落ち葉″のレッテル返上だ。団塊の世代の参加で、その勢いはますます加速しそうである。

 堀田力さんの講演など 記念イベントも

  10周年を記念して、いくつかのイベントが企画されている。
  記念式典は5月24日、鎌倉生涯学習センターで開催。当日は記念講演会も。講師は、元検事で現在は(財)さわやか福祉財団理事長、弁護士の堀田力さん。テーマは「市民がつくるみんなの町」。
  また、5月20日(火)〜25日(日)まで第10回かまくら市民活動フェスティバル「全部見せます鎌倉の市民活動」を開催する。
  このフェスティバルは、これまでNPOセンター大船を会場に行なってきたが、今回は10周年を記念し、鎌倉生涯学習センター地下ギャラリーで実施される。「初めて鎌倉地区で開催するので、これまで参加しなかった団体も積極的に参加するようPRしています。観光客もご覧いただけるといいのですが」と渡邉さん。
  記念誌の発行も予定している。
  NPOセンターでは、2000年11月に「鎌倉市民活動白書 風と潮流」を発行している。「鎌倉の市民活動を20世紀のうちにまとめておきたい」という活動メンバーによる現場からの声の集大成だった。今回の記念誌は「10年の歩みと、関係者や各界からのメッセージ」という内容とか。

 行政との協働″など 課題も多い

  しかし、10年という節目を迎え、課題も指摘されるようになってきた。
  市民主役の地方自治というが、厳しい財政下、行政との協働″がともすると行政の下請けになっているのではという声がある。さらに、指定管理者制度となって、運営の主体が変わる可能性も。その時、これまでどおりの運営方針を維持できるのか。自立していくためにも、収益活動を強化していく必要があるのではないか、…等々。
  鎌倉には約900の市民活動団体があるそうだ。登録団体以外の団体との情報交換、協働″も一つのテーマであろう。
  そして、同センターは広報紙「鎌倉パートナーズ」(季刊)を発行してきたが、NPO団体の情報紙に止まらず、今後は、NPO活動をより市民に身近なものとするためにも市民へのPRをもっと積極的に行なっていくべきだと思うのだが。

 
 
 118号1面記事
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